Obstetrics

妊婦

妊娠週数、予定日を決定します。

妊娠初診
<妊娠週数>

妊娠週数は、最後の生理が始まった日をゼロとして計算します。実際に妊娠が成立するのは受精した日ですが、月経開始から14日目に受精したと仮定して計算しいます。排卵はみんなが14日目に起きるのではないので、ずれが生じることがありますが、その場合はCRL(頭臀長)で修正します。こうして正確な妊娠週数、予定日を割り出します。

  • ・妊娠4週に尿検査で妊娠反応が陽性になります。
  • ・妊娠5週に超音波で胎嚢が確認できます。
  • ・妊娠6週に超音波で心拍(心臓の拍動)が確認できます。
  • ・妊娠8週から9週にCRLを計測し、妊娠週数、予定日を確定します。
<予定日>
妊娠40週0日を予定日と定めます。実際には予定日に分娩を迎えるのではなく、通過点にすぎません。

健診では毎回、血圧、子宮底長、体重、尿たんぱく、尿糖を調べます。

妊婦検診
<妊婦健診の間隔>
妊娠期間は、流産期、早産期、正期産期に区分され、それぞれの期間で健診の間隔が定められています。
<妊婦検診の内容>
健診では毎回、血圧、子宮底長、体重、尿たんぱく、尿糖を調べます。
血圧に関する説明
妊娠すると初期には血圧は低下します。それは、増加する血液量に備えて血管が拡張するためです。だから初期にはよく立ち眩みを起こします。中期以降、血液量が増加すると血圧は上がりますが、妊娠前より上がることはあまりありません。140/90を超えると妊娠高血圧です。
子宮底長に関する説明
子宮は胎児の発育に応じて大きくなるので、子宮底長は胎児の発育の目安になります。平均値より3㎝以上差があると、胎児発育遅延や羊水過多症を疑います。
体重に関する説明
分娩までに、体重は7-7.5kg増加します。それに脂肪が加わり10kg程度増加します。理想の体重増加というのはありませんが、太っている方は蓄えがあるので控えめに、やせ形の方はあまり気にする必要はありません。
体重が15㎏以上増加したからと言って大変なことが起きるわけではありませんが、大切なことは分娩後妊娠前の体重に戻すことです。これができないと将来の肥満につながります。そのためには産後多少の努力が必要です。焦らず1年くらいで体重を戻しましょう。
尿蛋白に関する説明
尿に含まれる蛋白の量を(-、±、+、⧺、⧻)で表します。⧺以上が持続すると要注意です。
尿糖に関する説明
尿に含まれる糖の量を(-、±、+、⧺、⧻)で表します。妊娠中は血糖値が高くなくても腎臓から糖が漏れやすくなるので⧺が出ることはよくありますが、持続する場合には妊娠糖尿病が疑われます。

超音波は妊婦健診の項目には含まれていませんが、超音波で赤ちゃんの姿を見ることが健診の一番の楽しみになっています。
当院では毎回の健診で超音波で赤ちゃんの様子をみて、うまくいけば20週以降4Dで赤ちゃんの顔の写真を撮っています。
医学的には以下の項目を必要に応じてみています。
胎児ドックは妊娠中期(18週)と後期(30週)の2回行い、発育と形態を詳しく観察いたします。

超音波写真
<検査内容>
胎児発育計測
胎児の成長や健康状態を確認するために、胎児の身体の大きさや重さ、胎児の発育、胎児の動きなどを測る超音波検査です。
胎児形態観察
胎児の成長や健康状態を評価します。
羊水量
羊水過多、過少を評価します。
頸管長
早産の兆候の有無を調べます。
染色体
各種、染色体異常に特徴的な所見が知られており、それをチェックします。当院ではNT(項部肥厚)、Nuchal fold、他の異常(発育遅延、四肢の短縮、心奇形、骨格の異常、内臓の異常)を胎児ドックの時に確認しています。

ご自分の健康状態を知り、妊娠する前に対処すべきことがないか準備をするためのものです。
妊娠前に知っておきたい病気のほとんどは何らかの症状がありますから、
何も症状の無い方がわざわざいろいろな検査を受ける必要はないでしょう。
また妊娠してから見つかっても問題がない状態や疾患も同じです。
少なくとも、日ごろの自分の血圧、体重、BMI、くらいは知っておきましょう。
ご不安があればいつでもご相談ください。

カウンセリング

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